kkamegawaの購入記録

漫画、小説、映画や買ったものの記録をつらつらしていきます。昔は一部技術情報もありました…

漫画:月舘の殺人(下)

上巻からちょうど一年ですね。ずっと楽しみにしていました。

生まれてこの方鉄道にのったことのない主人公。それは祖父の異常な鉄道趣味に耐えかねて出て行った母親の影響。沖縄在住でゆいレールさえ回避しておけば問題なし…らしい。

そんな母親も他界して、天涯孤独だと思っていた主人公だが、弁護士から祖父がいることを聞かされる。祖父は北海道在住で鉄道仲間でも有名なキング・オブ・鉄。一人かと思っていたら、寝台車「幻夜」には同様に招待された仲間が6人。それぞれ鉄(ただし鉄の中でもジャンルは違うらしい)。

初めて乗る寝台車に喜ぶ一行だが、深夜に殺人事件が発覚する。意を決して車掌は幻夜を降りることにした。降りたところは、月舘だった!

…ここまでが上巻。下巻はその解説編というか、お互い疑心暗鬼になりながら物語と「幻夜」の秘密が解きほぐされる筋道。

謹慎憎悪というか、ある分野の鉄は異なる分野の鉄を憎むというあたりがなかなかおもしろい。鉄が犯人だという流れになるとみなこぞって鉄じゃないと言い出すし、逆に鉄じゃない人が犯人という流れになるとみなこぞって「私はこれだけすごい鉄です(というか、幻夜に招待された時点でただ者ではない鉄という事になっているらしいが)」ということを力説する。このあたりのコミカルな情景は佐々木さんならではの描写。

鉄道に乗ったことのない人、ずっぽりはまりこんでいる人のギャップを生かした舞台設定が大変印象的。

aisbn:4091883338月館の殺人 (下)