患者を持たず、執刀南下するはずのない病理医の岸先生がなんで手術着の表紙?と思ったらなくなった患者さんを解剖して、調べるという剖検もありましたか。そういえば動物のお医者さんでも病理の担当は正月盆暮れ関係なく剖検が入るとバイトもすべて吹っ飛ぶ…という話がありましたね(確か2巻だったか3巻だったか)。
病理医が剖検をやるのは自分の診断や治療のアドバイスが正しかったのか、答え合わせのためである、という岸先生のセリフはなっとくという感じですが、やると報告会などで時間とられまくるし、亡くなった方や遺族の方に直接なにかいいことがあるわけででもない。でも、次の同じ症例の患者はもっとうまく治療できる可能性が出てくる、ということで、なかなか難しい話です。自分が検体となるとそういうことが言えるかどうか?
この3巻の本筋は製薬会社ががん治療の特効薬として製品化にかけているJS1。MRである火箱氏は過去の経験もあって、この薬にかけている。そのためには少々汚いことでもやってやろうと、有利な症例が出る治験の被験者にJS1を、そうでない人にはJS1ではない薬を。そういう小細工やっているんですねぇ。
ただ、彼女なりのやっちゃいけないところというところは意外と良心よりで、JS1の最初の治験で出なかったけど、実はそれは統計のというか、治験結果のマジック。こういうの、どこの世界でもありそうだなと思ってしまえるところが何というか。
さすがに重大な副作用があるようだということで、火箱の一線はそこまでいかないが、部長はさすがに会社の要職だけあってそれでもJS1を通そうとすべく、いろいろな工作を開始する。治験の被験者の余命半年の患者は火箱氏とデートを取り付けるとか、いろいろな立場でJS1が揺れ動きそうです。

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